第14話 高校入学 桜は満開、不安も満開
2020年10月16日

寒い間、家の前の公園の桜の木は
まるで生気を失たった無口な老人のように静かに佇んでいたが
春先の気まぐれ陽気や寒気に、平静を保てなくなったのか
徐々に花のつぼみを膨らませ
私が高校の入学式の日には 満開に咲きほこっていました。
私の不安も桜のように満開でした。
時間は問題を解決には手を貸してくれず
むしろ、心配を助長する方に加担していました。
高校入学。
高校に入るというよりは徴兵で軍隊に入隊する気分でした。
まぁ、入隊はしたことはないけれど。
地元の中学から複数の同級生が一緒に入学しました。
ただ特別仲の良かった奴はいませんでした。
不安が入り混じった心境の中
それほど気心の知れない奴らと 高校に向かいました。
高校に到着して掲示板で振り分けられたクラスを確認し 教室に向かいました。
ひとつ期待していたことがあったのですが
教室に到着するとその期待は裏切られました。
クラスの女の子にまったく可愛い子がおらず
オラウータンかゴリラかそれらを掛け合わせた
ゴリウータンみたいな奴らばかりで・・・
ということではなくて・・・
教室からトイレの場所が離れていることでした。
トイレの場所は非常に重要でした。
授業中、もしトイレが我慢できなくなったときは
0.1秒を競うアスリートのようにトイレに駆け込まなければならない。
次の授業に備えて、授業が始まる直前にトイレに行っておきたい。
休み時間に友人との会話が盛り上がったとしても
休み時間が終わるギリギリには話を打ち切って
次の授業に備えてトイレに行っておきたいからです。
割り当てられた席について
(だれもトイレの場所なんて気にしていないのだろうなぁ)と 思いつつ
入学式が始まるのを待っていました。
入学式には当然ながら予行練習はなく
時間配分はわかりません。
どうなるんだろう・・・
入学式は体育館で行われました。
入学式は・・・1時間で終了しました。
助かった・・・
幸い、尿意も感じることもありませんでした。
このまま治ってくれればいいだけど・・・
明日からは体育館でオリエンテーションが 実施されるとのと。
(大丈夫かなぁ・・・ )
私の不安という桜は当分散りそうにありませんでした。
続く・・・
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